Music Spiral

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MDR-1Rを今更ながらレビュー

はじめに

MDR-1R。 それは2012年にSONYより発売されたヘッドフォン。

そのデザインは今でも新鮮に感じる、SONYの元看板ヘッドフォンだ。

 

耳に当たるパッドはふかふかで、側圧も強くないため、長時間使用していても苦痛になることはない。むしろ装着していて気持ち良いくらいだ。

 

ヘッドフォンの見た目は高級感があるが、実際にはプラスチックが多く使われており、軽量化に貢献している。その結果このクラスのヘッドフォンでは珍しい、重量240gという重さを実現している。専用キャリングケースもついていて、持ち運びも容易だ。また、ハウジングを平らにすることもできる。これによりカバンの中でかさばることなく持ち運びができる。

 

液晶ポリマーフィルムを使っていることが大きな特徴で、これにより高い内部損失を得ることができる。内部損失が高いと振動板固有の音がしにくく、より自然な音が得られる。

 

ケーブルは着脱式で、リケーブルを試すこともできる。付属ケーブルの表面には細かな溝があり、これにより摩擦を抑えられる。1.2mの長さで、もう一本、リモコン付きのケーブルも付属する。

 

私が一聴したときに気づいたのがドラムなど打楽器の自然さで、刺さりなどが皆無だったことだ。全体的には抜けの良い音で、高域はさっぱりとしていて、低音はレスポンスがよく、重低音が響くようなヘッドフォンとは真逆の位置にある。

 

このヘッドホンはとにかく聴き疲れとは無縁だ。爽やかな高音、スピード感のある低音、そして、装着感の良さ。これらが組み合わさることで長時間の使用ができる。

 

スペックは24Ω、感度は105dbだが、駆動力のあるプレイヤーを使ったほうが低音に心地よさが出てくる。スマートフォンなどでは、低音の量感が減ってしまい、ただでさえ少ない低音が更に少なくなってしまう。

 

まとめ

美音系のヘッドフォンで、後継のMDR-1A、1AM2などとはだいぶキャラクターが違うため、こちらのほうが好みだ、という人も少なくはないと思う。対1Aでは低音の量感がだいぶ違い、1AM2では音の傾向そのものが違うので、この3機種で迷う場合は要試聴だ。

 

MDR-1R自体、6年たった今でもバリバリ通用する現役のヘッドフォンだと思う。装着感の良いヘッドフォンや、低音はそこまでいらないよ、といった人におすすめだ。